イ草について
日本に於けるイ草の生産地
国内イグサの産地として国内産の96%以上を生産しているのが九州・熊本です。
熊本県八代市(やつしろし)や宇城市(うきし)、氷川町(ひかわちょう)などがその中でも有名産地です。
その他、福岡、佐賀や広島、岡山などがあります。
ただし広島や岡山、佐賀などの生産地では今では、ほとんどイグサの栽培はありません。
国産畳表の最高級品として知られているのが広島、備後表です。
広島県福山市沼隈地方で生産される畳表を本口(ホンクチ)と呼んでいます。
備後の地草で織られる畳表は希少で一般の住宅に使用されることは殆んどありません。
備後表といっても地草(広島で栽培され広島で織った畳表)のほかに他所(熊本など)で栽培されたイグサを備後織りで生産した物の2種類があります。
昔ながらの縁無しで知られる青表(琉球畳)の生産地は大分県です。
今では大変希少になっております。
通常の畳に使用されるものを丸イ、琉球(青)に使われるものを三角イ(七島イ)と言います。
丸イとは
一般に、へり付き畳に用いられるイグサを(丸イ)といいます。
イグサ科の多年生植物で細く硬く青いつやのある物ほど良質で染土で泥染めを行った後、乾燥し織り込まれ畳表となります。
イグサの品種
イグサも農産物、品種というものがあります。
昔から栽培されてきた、在来種として【せとなみ】、【きよなみ】 、【いそなみ】 、【岡山3号】などがあり、【せとなみ】は広島備後表に代表される品種、【岡山3号】は名前の通り、岡山の備前表に代表する品種です。
【きよなみ】は熊本でも在来種として多く栽培された品種ですが、いずれの在来品種も今では生産者が非常に少なく手に入らない希少種となっています。
現在、熊本県産イ草として高級品の畳表に使用される品種 が【ひのみどり】です。
熊本県やJA熊本が推奨しているイグサで、特徴としてイグサの太さが在来種の3分の2ほどの細さで在来品種よりも明るく綺麗に退色します。
在来品種より耐久性に劣りますが、細い分だけ打ち込み本数が多く、手触りはソフトで綺麗な畳表になります。
【ひのみどり】につぐ品種が【ひのはるか】です。
ひのみどりと在来種の中間の太さで見た目、肌触りはひのみどりに近い畳表になりますが現在は栽培する農家さんが少なくなっています。
数年前まで当店の主力であった 【夕凪 】、特徴としてイグサが硬く耐久性に優れるので、在来種と共に当店では指定して使用していた畳表になりますが他の品種同様、現在では栽培する農家さんが非常に少なくなりました。
最後に熊本の新品種として出た【涼風】です。
ひのみどりとビーグの交配種としてイ草自体が非常に硬く、在来種や夕凪のような耐久性のある品種で現在当店が扱う主力の品種(畳表)となっています。
イグサの生産地情報
熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会
熊本県い業生産販売振興協会
広島県藺製品協同組合
三角イ (青表)とは?
主にヘリ無し畳に用いられるカヤツリ草科の多年生の湿生植物で断面が三角状になっているためそう呼ばれています。
『七島イ』とも呼ばれ、裂いて丸くなったものを泥染めせずに乾燥して織り込まれ畳表となります。
非常に耐久性に優れている特徴をもっています。
琉球畳(七島イ)について、詳しくはこちらをご覧下さい
くにさき七島藺(七島イ)振興会のHP